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「分人主義」でしんどさを小さくしてみる!

「分人主義」とは、多様な自分がひとつの肉体に存在すること

先日は、「世田谷事件」の被害者4人を追悼する会「ミシュカの森」へ。主宰・入江杏さんによる記憶と悲しみを共有しながら、事件の解明とともに、命を自ら、あるいは不本意に断つことがない社会の実現を祈ってきました。そのなかで、芥川賞作家・平野啓一郎さんの提唱する「分人主義」が、自己否定感からの脱却への足がかりになるのではという講演を聞き、いま手がけている「しんどさインタビュー」の参考とすることができました。

この「分人主義」とは……

たったひとつの「本当の自分」がいるはずという
「個人主義」の考え方にとらわれると、
生きづらい自分を完全否定したくなる。
でも、自分がどんなにつらい状況にあっても、そうではない瞬間もある。

「学校でいじめられ絶望的な自分(分人)」もいるけど、
「家族と一緒にやすらいでいる自分(分人)」もいると思えれば、
死を選ぶところまで行かないのではないか。

NHK Eテレ ハートネットTV 「生きづらさを生き抜くヒント」より

つまり、アコでいうと……。自信満々のイケイケなアコも、人見知りで気にしいなアコも、何かにつけて憂いたりするアコも、ちょっとたるんだ肉体の中に存在しているのです。そんななかで、コミュニケーションをとる相手によって、はつらつとしたアコが起動したり、控えめなアコが起動するというイメージでしょうか。

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「個人主義」とは、自分がひとつという考え方

で、対する「個人主義」とは……。「アコ」はひとつであって、それ以上は分割できない。出会う人によって、振る舞いを変えている。なので、「本当の自分」が、着ぐるみのなかに存在するといったイメージでしょうか。

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子育てに「分人主義」を使ってみる!

おぉ、この分人主義! 自分に置き換えてみると、モヤモヤがすっとする! イヤな自分のあら探しや原因探し、「直そう」とメンテナンスをしなくてもいい! それよりは、自分にとって心地よい自分、つまり心地よい状態にしてくれる相手と付き合う時間を増やせばいいということです! 私でいうと、タケ&江ちゃんと過ごすときのアコが一番好きで、人の目を気にして気の進まない仕事をやむなくこなしている自分だったり、過去の自分をくよくよ悔いたりするときの自分は受け入れがたい。それならば、家族と過ごす時間を増やし、気ののらない仕事を受けないようにすればよい!

そして…… いま、現状を憂いている方へ。

悲しい状態を自分の100%と考えて、自分を完全否定することのないよう……。ちょっとため息をつきたくなったときには、自分の中にはつらつとした自分が存在していて、その自分をどう起動させるか考えてみてください! きっとずっしりと抱えているしんどさが、ふーっと軽くなるはずです! 私も、そのことを心がけて……。

私とは何か――「個人」から「分人」へ (講談社現代新書)

私とは何か――「個人」から「分人」へ (講談社現代新書)

  • 作者:平野 啓一郎
  • 出版社:講談社
  • 発売日: 2012-09-14
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