前置胎盤（ぜんちたいばん）と逆子ちゃん

あのね、こうちゃん。
21週になった8月、ママは改めて前置胎盤（ぜんちたいばん）と診断をうけました。本来は子宮の内側の背中側、しかも上のほうについている胎盤が、ママの場合は、おへその下辺りから子宮口にかかっていたんだよ。

胎盤は赤ちゃんに栄養をおくる血がたくさん含まれたスポンジのようなもの。傷つけては出血してしまうし、赤ちゃんより先に取り出すと、赤ちゃんに酸素や栄養が行き届かない。30週くらいまでに胎盤があがる可能性があると聞き、時が解決するのを待ちました。

そして、この頃、こうちゃんは逆子ちゃんでした。本来は、赤ちゃんの頭が子宮口近くで足がママの胸のほうを向いているのだけど、こうちゃんは逆を向いていたんだね。自然分娩だと、赤ちゃんの頭から外にだしていくんだけど、逆子になると危険なので帝王切開で産むしかないんだ。その逆子を直す体操をすると位置が変わることもあるっていうんだけど、前置胎盤の場合は出血の恐れから運動は厳禁だったんだ。

だから、語りかけるくらいしかできなかった。
「どんな状態であれ、無事に産まれてきてね」って。