妊娠の管理入院で感じる「申し訳なさ」「不安」の正体とは
ピン芸人ならぬ、ピンリサーチャー「アコ」による、子育てを観察、実験、科学する「アコラボ」です。先日、入院をきっかけに、2年前の「管理入院」について思い出した私。「あの頃は、ほんとに気持ちが落ちてたな」と思い出し、皆さんの経験をアンケートにて聞き、このサイトで共有することにしました。
さて、皆さん、どんな入院生活を送っていたのでしょう。
半数が「切迫早産」、4割が1ヶ月以上の入院
私の場合は、前置胎盤で入院しましたが、57%の人が切迫早産で入院しています。そのためか、妊娠8か月での入院が29%、9ヶ月が20.4%と、妊娠後期だけど出産には早いという時期の方が半数を占めました。
辛かったのは、分からないことへの不安と家族への申し訳なさ
続いて、フリーアンサーで「辛かったこと」をたずねたところ、最も多かったのは、「赤ちゃんが無事に生まれるか」という不安。そして、上の子どもや親の世話ができないということへの「申し訳なさ」でした。
痛みもなく、意識もしっかりしているのに、身動きがとれないことで、自分が「できない」と思いつめてしまうんですよね。
管理入院は、「責任」が一気にのしかかる時間
緊急に備えて病院にいるはずなのに、なぜ、不安や申し訳なさを強く感じてしまうのか。それは、物理的に情報やつながりが遮断されてしまう環境だから」と思います。どういうことか、というと……。人間は、本能的に「悪い方向へ考えてしまう」習慣が身についてるのだそうです。これは、あらかじめ悪い方向を想像しておくことで、より悪い結果を受け止めるときにショックを少なくするのだとか。
で、管理入院だと、先のゴールが見えない分、自分で想像を働かせてしまう。さらに、ポジティブな情報が少ないと、余計に悪い方、悪い方に考えてしまう……ということなんですよね。それは、ある意味、自分でゴールを想像して設定できそうだと思い込んでしまっていて……。
つまりは、
悪い想像を巡らして、いろんな人に勝手に責任を負っている。
という状況なのです。
私も、今だから、「そんなに思い詰めることはないよ」「あなただけの責任じゃないよ」と思うのですが、当時はひたすら想像しては泣き、自分がいないことでいろんな人に迷惑をかけているのではないかと泣いていました。
管理入院している妻やママにポジティブな情報を
言い換えると、こうした「悪い想像サイクル」を遮断するためには、考えないようにさせること。「精神的に助かったこと」という回答でも、
「家族が来てくれた」「大部屋で他のママと話ができた」「助産師さんが相談に乗ってくれた」
などの回答がとっても多く寄せられました。人に会うだけでも、悪いことを忘れさせてくれたり、背負っていた責任の重さに気づいてその荷を下ろしたりできるんですよね。
管理入院で、「家族愛」を再確認できる
そして、よいアイデアだと思ったのは、「上の子と交換日記」をしていたというママ。パパが日記を買って、娘に毎日書いてもらい、届けていたそうです。日記の相手が娘だと、不安や戸惑いは書けませんもんね。このママ、たくさんよいことを思い出したり、想像しながら日記に向かっていたのではないかと思います。
そういえば、私もタケとLINEで「四字熟語しりとり」をしていたりしました。この間は、不安や悩みはまっさらになっていた気がします。
そう、この管理入院は改めて家族への愛情や存在を感じる時間ともなりました。
入院の経験なしで産めたら、どんなによいかと思いますが、実は多くのママが経験している管理入院。入院したことで、ママ一人が責任を全て負ってしまったのではなく、病院のお医者さんや看護師さん、助産師さんがその責任を少し背負ってくれたと思い、そして上の子の子育てや親の介護のある人は、ちょっとした「シフトの変更」があったと思うようにと……すこーし、楽になりませんか。
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