直喩・隠喩・換喩・提喩って?「花より団子」は比喩×比喩! #03 日本語ラボ
「日本語ラボ」シリーズは、日本語教師の卵であるアコが、日々の学習した内容を振り返りながら、まとめています。日本語の学習者にも、読み物としてもお読みいただけるシリーズとして育てていきます。
# 03 語彙・意味_比喩
「お花見、行きましたか?」
「お花見、行きましたか」
4月になると、こんな挨拶が増えますね。
いわゆるシートを敷いてどんちゃん、というのはないのですが、
我が家も増上寺や近くの公園のお花を眺めました。
満開の桜の下で桜を眺め。
近所の天ぷら屋「天弘」で買ったイモの天ぷらを食べ。
Freeeeedum! 春の足音を聞いています。
ちなみに、近所の人たちが皆、「いいわねぇ」「楽しそうねぇ」と声をかけてくださってるので、本当に、このフリーダムな子にとっては過ごしやすいコミュニティにいさせてもらっています。
上機嫌の息子も「お花見だねぇ」と桜を見上げています。
どうしてチューリップを見て「花見」と言わないの?
で、あれ、あれれれ?
あれ?
あれれ?
けっして、「花見」が「桜を見ること」と教えていないのに、どうして息子は桜を見上げて「花見」というのだろう。チューリップを見たり、パンジーを見て「花見」と言わないのだろう。
何気ない会話でも、不思議なことばかりです。
これって……。
桜を見上げたシチュエーションで、
「お花見だね」
と指しているので、
息子の理解としては、
花>桜だけど、「花見」=「桜を見ること」
と腹に落ちているのだろうと思います。
花より団子は比喩
前提が長くなりましたが、3歳の息子でも、「花」は桜を表していることがわかっています。これは、「比喩」の一種なのですね。
提喩(ていゆ:シネクドキー)
花>桜
食べ物>団子
それぞれ、より上位の言葉に置き換えている「提喩(ていゆ:シネクドキー)」という表現です。例えば、「麦を食え」(=質素なご飯)というように、より上位、あるいは下位の言葉に置き換えます。
直喩(ちょくゆ・シミリー)
隠喩(いんゆ・メタファー)
そして、直喩(ちょくゆ・シミリー)、隠喩(いんゆ・メタファー)は、習った記憶があると思いますが、
「まるで夢のようだ」が直喩(ちょくゆ・シミリー)
「昨日の出来事は悪夢だ」が隠喩(いんゆ・メタファー)
ですね。
あからさまに例えているのが直喩、「ようだ」と表現していないのが隠喩です。
換喩(かんゆ・メトニミー)
さらに、
「永田町は揺れている」(=政治)
「今夜は鍋を食べる」(=鍋で煮た食べ物)
「太宰治を読む」(=太宰治の小説)
というように、近接の表現に置き換えているのが、換喩(かんゆ・メトニミー)です。
比喩を使うと知的に見える!
この4つをちょっと意識していきながら子どもと話すと、より会話が豊かになりそうですね。そして、文章を書くときに「例え」を入れると、一気に文学的になります。
私も最近、ブログを書くときに、
「言いたいこと」=「目に見える物や人」
に置き換えて書くようにしています。
すると、言いたいこともぶれずに書けるようになるし、書いている方も読んでいる方も、ストンと理解できるようになります。
なので、
最近は、息子にも「こうちゃんは蝶々ね。かわいいってこと」「ママはお腹が空いて目が回る」というように、比喩や慣用句を会話に入れ込むようにしています。
そんな感じです!
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