2〜3歳児のイヤイヤが解消!1人2役の「ロールプレイ法」で言い換える #12 幼児と外国人の日本語教育ラボ
「日本語ラボ」シリーズは、日本語教師の卵であるアコが、日々の学習した内容を振り返りながら、まとめています。日本語の学習者にも、読み物としてもお読みいただけるシリーズとして育てていきます。# 12 中上級の教室活動
あのとき、気持ちを伝えていたら、違う人生だったかも
「あのとき、気持ちを伝えてれば、
もしかしたらAくんと結婚していたかも」
「あのとき、気持ちを聞いていれば、
もしかしたらBさんと違う人生を歩んでいたかも」
既婚者なのに不謹慎ですが……。
結婚されていても、独身でも、
そう思ったこと、
誰しもあると思います。
20年ほど前に、「波の数だけ抱きしめて」という映画がありました。
ピチピチのヒロイン、ミポリン(中山美穂)が、
織田裕二と恋に落ちそうなんだけど、
結局、結ばれない。
そんなほろ苦い青春ストーリーです。
舞台は、湘南。
大学生の男女が、海辺にアンテナを立てながら、
ミニFM局を開設していきます。
その後、ミポリンは渡米することに。
織田裕二は、ラジオを通してミポリンに向けて想いを伝えます。
ですが、
その告白のタイミングで、ミポリンの運転する車は
トンネルに入ってしまうのです。
結局、ミポリンは、織田裕二の気持ちに
気づかないまま、時は過ぎていきます……。
「ダメ」と牽制し合い、息子はイヤイヤ、ギャン泣きに
気持ちのすれ違い……。
親子も、おんなじですね。
我が家でよく繰り広げられるシーン。
「YouTube、もうダメよ」
iPadを取り上げることがあります。
「しまじろう」や「トミカ」を観たい息子。
さっさとお風呂に入れたい母。
攻防が続きますが、
ずるい母は、「大人の特権」を使います。
「もう、YouTubeは、ダメ!!」
iPadを取り上げる。
「ママ、とっちゃダメ!」
お互いに、ダメダメ攻撃です。
行き着く先は、
息子のギャン泣き。
そんな日々が続きました。
1人2役のロールプレイ型で気持ちを言い表す
母、ふと我にかえる。
そういえば、私は息子に、何をしてほしいんだっけ?
「息子に、目を休めてほしい」
「お風呂に入って、早く休んでほしい」
いずれにしても、体を楽にして過ごしてほしい。
えぇっと、では、その気持ちを話す前に、
息子の気持ちを聞いてみる。
「こうちゃんは、なんでYouTube観たいの?」
「えーん、えーん」
「えっとね、ぼくは……?」
「ぼくは、こまちとはやぶさが連結するの、観たいの」
「ウンウン、わかった。じゃあ、新幹線を観たら、お風呂入ろうね」
そうして、息子のメソメソが落ち着いた頃、
状況をまとめて伝えます。
ねぇねぇ、こうちゃん。聞いて、聞いて。
「こうちゃんは、こまちとはやぶさが連結するのを観たいです」
「こうちゃんは、YouTubeをずっと観ています」
「ママは、こうちゃんにお風呂に入ってもらいたいです」
「ママは、こうちゃんの目が悪くなると悲しいです」
「こうちゃんは、ママのお話を聞きません。だから、ママはiPadをとりました」
「こうちゃんは、iPadを取られると悲しいです」
「ママは、iPadを急にとったことは、謝ります」
すると息子は、ママの目を見ながら、
そうそう、そういうことなんだよォォォ!
と首を縦に振ってくれます。
ロールプレイで代弁するメリット
ママが、息子とママの2役を演じる「ロールプレイ」で会話を再現します。メリットはというと……。
「共感してもらえる」と感じることができる
なぜ、子どもは「イヤイヤ」と言いつづけるのか。それは、「自分を受け入れてもらえない」という感情から。
だから、「ママがぼくの気持ちをわかってくれている」と思わせることが大事。無駄なイヤイヤやイライラを最小限に抑えることができます。
ママが息子の気持ちを想像しようとする
ママが2役を演じることで、息子の気持ちを代弁します。すると、息子にとって、イヤイヤが悪意のないものだと気づくことができます。けっして、ママに嫌がらせをしようとか、困らせようと思ったわけではない。そのことに気づくだけでも、ママの気持ちは穏やかになります。
問題を表面化できる
息子の気持ちと自分の気持ちを言葉にすることで、全てのイヤイヤ、イライラが「すれ違い」によるものだと気づくでしょう。これによって、YouTubeをあと5分見せればいいじゃないかという解決策を導き出すことができます。そして、この言い合い自体、とてもくだらないと感じることでしょう。
立場によって動詞が違うことを知る
そして、大事なのは、ママと自分の立場の違いによって言葉が違うということを理解できます。ママに「取られた」と思っていたけど、ママは自分の体を大事に考えてくれることを知ることができる。だから、「〜〜された」「ママが怒った」という記憶ではなく、ママは自分と違うことを思っていたということを記憶に書き換えることができるのです。
3歳半の息子のイヤイヤが治った!
こうしたやりとりを続けた結果、3歳半になる息子のイヤイヤはピタリと止まりました。少しぐずるときは、眠い時だけ。だから、私も無駄なことでイライラせず、お互いに穏やかな気持ちで向き合うことができています。
なので、相思相愛!
やがて、息子にはもっともっと好きな人や大事な人が現れると思います。だから、せめて一緒に暮らせているうちは、お互いの気持ちを確認しておきたいですよね。
すれ違いの純情〜♪(T-BOLAN)
季節はまわる。
あいつはいない
そうならないように!
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廣升敦子(アコ)のプロフィール
日本語教師、上級心理カウンセラー
宮城県出身、東京都在住。千葉大学で小中学校(英語)免許を取得後、教育専門紙の編集記者に。その後、フリーランスのリサーチャーとして、N=1のインタビューを続ける。我が子の成長や親の葛藤を綴ったブログ「コレ芝」でのエピソードは、中京テレビや日経MJ、朝日小学生新聞などで紹介。息子が2歳の時に始めた語句の詰め込み教育を通し、4ヶ月で800語の四字熟語を覚える。これに味をしめて、現在は日本語教師として外国人や児童に日本語を教えている。
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