幼児の語彙力を高める第一歩は、親が先回りして学ぶ!〜ITフル活用の就学前教育2.0/2歳(幼児)四字熟語1000語の詰め込み術
「ITフル活用の就学前教育2.0/2歳児1000語の詰め込み術」は、現在2歳の(今秋3歳になる)息子に、半年で新規に「四字熟語1000語」を詰め込むという前代未聞の試み! この子育てサイト「コレ芝」では、その全記録を公開していきます。
四字熟語をインプットに過渡期!打開策は!?
最近、「キッズことばカフェ」というワークショップを開催しています。その中で、参加されたパパやママから、こんな質問をいただきます。
「親は、どう関わればいいの?」
まさに、このプロジェクトを始めた当初に、私自身が直面した問いです。
ある程度初期段階から、ものやシーンに四字熟語を命名する「キャッチコピー式勉強法」は夫婦で実践していました。そのため、ミニカーや壁に貼ったラミネート画像を見せながら、「これは、千両役者(せんりょうやくしゃ)だよ」「これは、社交辞令(しゃこうじれい)だよ」と教えていけばいいということは、夫婦で確認していました。
けれど、教えるノウハウもないのに、これでいいの?と、私はずっと半信半疑。しかも、この取り組みを始めた頃の私は、四字熟語などほとんど知りません。最初は、「エェーット、ええっと、お名前確認するね」「あ、ちょっと調べるね」とまごまご……。
そんな中、夫タケと息子がヒントをくれました。
息子「これ、何?」
パパ「脱兎之勢(だっとのいきおい)だよ。うさぎのミッフィーが車に乗って、きゃーって勢いよく逃げてるんだ」
※脱兎之勢の意味:逃げるウサギのような速さ。非常に速いことのたとえ。孫子の兵法【始めは処女の如(ごと)く後(のち)は脱兎の如し】が有名
あ、そういうことか!!
親は、子供の「これ、なに?」という問いを増やして、答えていく。
子供は、親の言葉を聞いて、さらに「これ、なに?」と聞く。
その繰り返し、なのだと。問いを増やすにも、答えていくにも。
「親が先回りして学ぶ」が全て。
私たちが何も知ろうとしなければ、子供も知ろうとしない。
私たちが答えなければ、子供は無知なまま……。
私たちが知ろうとすれば、子供は知ろうとする。
私たちが答えれば、子供の知識は増える……。
そういうことなんですよね。
親の関与が、子供の学力に影響を与える
そんな中、こんな言葉が目に飛び込みました。世界で最初の幼稚園を創設したフリードリッヒ・フレーベルの格言です。
大人は幼児がなすこと、見ること、発見することなどを
一々言い表し、命名し、それに言葉を
与えるだけでいいのだ!
この言葉を見て、私たちの取り組みは、昔から実践されている幼児教育の「王道」なのだと確信しました。
一方、親がどう関与するかが、子供のスキルや能力に何らかの影響を与えていることは、肌感覚ではなんとなく実感できますが、最近の調査でも明らかになっているようです。
父親・母親が子どもに勉強を教えることが多い家庭ほど、子どもの勉強時間は長く、 「勉強は楽しい」と答えている子どもの割合は高い。
(『子どもの学力格差を生む親の意識格差』第一生命)
親の「子の勉強」への関心が子どもの成績に影響を及ぼす
子供の勉強について親が子に聞くのが「毎日あるいはほとんど毎日」と回答した生徒の平均得点が、その他の選択肢を回答した生徒よりも10点以上高かった。
(IEA国際数学・理科教育動向調査(TIMSS) 2011 文部科学省)
つまり、親の役割は、やっぱりどんどん話しかけていくことなんだと感じます。ただ、フレーベルが「言葉を与える”だけ”」と言っていますが、それこそが案外難しい。どんな言葉を備えるかは、非常に大切だと思うのです。
それは、同じ言葉をただただ繰り返すというよりも、多種多様な言葉を知り、さまざまなものやシーンの存在に気づかせるということなんだと思うんですよね。
例えば、救急車が通った時に、
子「あれは何?」
親「救急車だよ」
でも、間違ってはいませんが、
子「あれは何?」
親「危急存亡(ききゅうそんぼう)のスーパーアンビュランスだよ。右のドアが広く開いて、ベッドがたくさん置けるんだ」
という方が、世の中の見え方が変わってくる、そして次の疑問がふつふつと湧いてくるんじゃないかと。例えば、この「スーパーアンビュランス」ひとつにしても、親がインターネットや図鑑で名前や目的を調べておけば、息子は次に、「災害」や「車が拡張する」ということを知ることができる。私は、この状況を、「モノクロ(単調)の世界」か、「カラフル(複雑)な世界」かというふうに捉えています。これは、実際に確認できるものやシーンは一緒でも、より細部が鮮明に見えてくるというイメージです。
子供の語学習得には、親が積極的に「先回り」しよう!
そうした経緯も経て、四字熟語をほとんど知らない私は、夫の力を借りて、1か月程度(1日1~2時間)かけて1500語のインプットに挑戦しました(詳しくは別途お伝えします)。
四字熟語を1500語学ぶ
まずは、1日100~200語前後をインプットしました。夫が先の2語を口にし、そのあとに続けて後の2語を口にするという方法です。
夫「一石(いっせき)」
私「二鳥(にちょう)」
という具合に。
そして、ペンキで塗り固めるように、うっすら知っているレベルから、最初の文字を聞いただけで、四文字をソラで言えるレベルに高めていきました。
第1フェーズ 散歩しながら、一日100-200語程度を覚える
第2フェーズ 一日300語程度を刷りなおす。(【刷りなおす】というのは、夫タケが税理士試験の勉強時に税の法律の理論暗記での受験生業界用語とのことです。一度覚えた理論暗記を繰り返して覚え直すときに言うのだそうです。)
第3フェーズ テストして間違えた言葉を抽出して刷りなおす。
「米米(コメコメ)暗記法」で苦手を潰す
上記の3フェーズを短期間で行う方法で、間違った言葉のみ抽出してなんども【刷りなおす】という方法です。具体的には、タケより追ってご紹介しますね。
史記や論語などの中国古典を読む
そして、四字熟語自体の面白さや生まれた背景を知ることが大切だと、「史記」を読みました。オススメは横山光輝先生の漫画。
漫画なので、読みやすい。でも全く中国史の知識がないので、さらっと夫が人物紹介と概要を教えてくれました。
夫のタケ曰く、『中国の歴史を勉強しよう』なんて肩肘張らずに俗っぽい話から、興味を持てばよいとの事。
そこで、まず押さえるべき登場人物は嫪毐(ろうあい)とのこと。。。※どういう人物かはwikipediaを参照ください。
そうした準備を経て、子供の「これ、なに?」を聞いてから答えるまでのスピードが、格段に早くなりました。すると、息子も私を信頼して、「これ、なに?」とどんどん聞いてくる。私も気持ちに余裕が出てきて、関連する言葉や使い方なども教えてあげることができるなど、好循環になりました。
まとめ 親の言葉の引き出しを豊かにすることが子供の語彙力を高める
言葉で意思疎通がはかれない月齢でも、「これ何?」と聞ける年齢になっても、親の言葉を増やさなければ、子供にとって、さまざまな語句に触れる機会はほとんどありません。保育園に通っていても、良くも悪くもパターンや行動範囲は決まっています。お散歩中に、救急車を見たとしても、たくさんの子供の安全管理をする中で、「これは、スーパーアンビュランスで、ほにゃらら」と説明する時間や余裕はありません。何より、一緒に過ごす時間は、親が一番長いですし、親の言葉をよく聞き分けられるという実験結果があるように、子供は親が発する一言一句を丁寧に聞き分けているのです。
親が、より丁寧に話しかければ、子供はさらに豊かな言葉を覚えることができる。言い換えると、親が意識して言葉をピックアップしなければ、決まった言葉しか使えなくなるというリスクも表裏一体です。だからこそ、「親が先に学ぶ」というのはプレッシャーではありますが、もう一度学び直せる機会をもらったと思い、これからもどんどん先回りしていこうと思っています。
それでは、合縁奇縁を願って……。「キッズことば」カフェも継続開催中です。
⇒次の話は【幼児教育で大量の語句を覚えるには「ゲーム」要素が不可欠!?】です。
ITフル活用の就学前教育2.0/幼児(2歳児)1000語の詰め込み術 目次とプロローグ
- ITフル活用の就学前教育2.0/幼児(2歳児)1000語の詰め込み術 目次とprologue
- 「就学前教育2.0/幼児(2歳)1000語の詰め込み術」の4つの効果って!?
- なぜ、2歳児に詰め込み教育をはじめたの?
- なぜ、語句の中でも「四字熟語」を幼児に詰め込むのか
- 就学前の2歳幼児にとって四字熟語の暗記は簡単?!
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